石原慎太郎が、一人称、すなわち、角さんが一人語りをする体で構成されている。
まず、めっちゃ大きな文字、普通にレイアウトすれば、半分のページ数で済むのではないか?
「俺」と語るが、勝手な印象では「儂」の方がしっくりくるのではないか?
それと、「リストカット」なんて単語は、彼の口からは出ないように思う。
それはそれとして、件(くだん)のロッキード疑獄。
中国との国交正常化等、米国を痛く刺激した末路として陥れられた経緯は、興味深く読んだ。
彼が被告人となった後の1978年、ボクは、広告代理店のメッセンジャーというバイトで、白のスカGを専用車として与えられ、毎日都内の出版関係の会社を巡っていた。
或る日、講談社や光文社で仕事を終えて、次の目的地へ向かう途中、目白御殿の前を通過したことがある。
ここがそうなのか、と興味深く眺めながらゆっくりと車を走らせた時の光景を、何故か今も覚えている。

在りし日の角さん。
その後彼は脳梗塞を患い、失意のまま亡くなるのだが、その辺りの経緯が、ドラマを観るが如くの感あり。
人の一生の寂寞さを思う。
とどのつまり、あれはCIA辺りの仕業?などと思うのは乱暴の誹りを受けるだろうか?

