16歳の頃から、小説を書いてきました。
いつの日か、水のような文体を手に入れたい。
その文章で、生きているものを書いてみたい。
それは、きっと励ましに満ちた物語で、読み終えた人の胸を一杯にするものになるはずだ。
そんな小説を、いつか書き上げてみたい。
それから50年、ようやくその夢がかないました。
「おきざりにした悲しみは」は、僕にとって夢の小説です。どうぞ読んでみてください。
(原田宗典)
過日、上のような惹句に触れ、【読むべき本】だと確信した。
今では、妹の原田マハの方が著名作家になっているが、この人の文章は1980年台によく目にした。
まだ明屋書店が大丸の近くにあった頃。
その大丸ももう何年も前に撤退した、そんな昔、40年余り前の頃。
ボクは東京での5年間の生活を終えて、Uターンした当地新居浜で暮らし始めた。
本が好きなボクは、用事が無くても、度々本屋に出向いて、可能性の入り口を探していた。
当時よく読んだのは、大藪春彦や筒井康隆、そして鈴木英仁のイラストが似合う片岡義男。
そんな頃に出会いを求めて立ち読みした中の作家の一人が、この原田宗典だった。
洒脱で読みやすいエッセーが記憶に残っている。
それは、同時期に頭角を現した永倉万治のそれと同じ匂いがした。
以降はうつ病で低迷した時期が長かった。
そこから雄々しく立ち上がったのがこの作品?
そんな予感がした。
そしてその予感は見事に当たっていた。
そろそろ死に仕舞いを考える年代に勇気と希望の光を灯す傑作だ。


この、夢も希望もなかった子供たちの真っ暗な生活に希望の光が差し込んだ瞬間の文章に心震える。

二人は声を揃えて笑った。
それを囃(はや)すかのように、表で蝉が鳴き始めた。
このセンテンスが好きだ。

ボクもこんな小説を書けないものか?
実は、趣味として書いてはいる。
例えばこんなの。
次はやっぱ、こうしたベクトルのものに挑戦したい。
読んだ後で、いや、読み進めながら、元気と勇気が湧いてくる小説。
そんなものを創作したい。
さう、どんな状況下でも、人生を諦めないで、毎日を一所懸命生きて、愉しめるオジイでありたい。
そんなことを想っていますよ、ワタクシメ・・・

