宝島のチュー太郎

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あちらにいる鬼



内容紹介

瀬戸内寂聴さん推薦
モデルに書かれた私が読み 傑作だと、感動した名作! !

作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、作者は五歳だった。
五歳の娘が将来小説家になることを信じて疑わなかった亡き父の魂は、
この小説の誕生を誰よりも深い喜びを持って迎えたことだろう。
作者の母も父に劣らない文学的才能の持主だった。
作者の未来は、いっそうの輝きにみちている。百も千もおめでとう。
――瀬戸内寂聴

人気作家の長内みはるは、講演旅行をきっかけに戦後派を代表する作家・白木篤郎と男女の関係になる。
一方、白木の妻である笙子は、夫の手あたり次第とも言える女性との淫行を黙認、夫婦として平穏な生活を保っていた。
だが、みはるにとって白木は肉体の関係だけに終わらず、〈書くこと〉による繋がりを深めることで、かけがえのない存在となっていく。
二人のあいだを行き来する白木だが、度を越した女性との交わりは止まることがない。
白木=鬼を通じて響き合う二人は、どこにたどりつくのか――。

父・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴の〈特別な関係〉に、
はじめて光をあてた正真正銘の問題作にして、満を持して放つ著者の最高傑作!




 こんな作品紹介に触れて、図書館で借りてみたはいいが、期限の二週間以内に半分も読み切れないで、一旦返却したのだから、私には不向きな作品だったのだろう。
でも、再度借りて、読み直したところをみると、「読んでおくべき本」だと考えたことは間違いないだろう。
ただ、あまり心に残った文章ではなかったような。
それでも、読んだ履歴は残しておこうと、こうしてキーボードを叩き出したはいいが、未だ、何を書けばいいのか?と思案中。


 そんな訳だから、思い出すままの雑感を大まかに書き留めておく。

三角関係の女二人が一人の男を巡って、その思いを交互に描写する手法。
要するに、一人称を貫きながら、三人称の感覚で表現出来るというやり方は、考えようによっては書きやすそうで、いい手法のように思える。

夫の浮気癖を充分承知した上で、それには触れず、長くやり過ごしてきた妻が、夫の死の間際には爆発寸前までいくこと。
しかし、結局、そうはならず、やがて自分の死期を迎えた時に、やはり愛していたのだと再確認する締めくくりの文にドキっとさせられる。
「だがそのとき、私は自分の娘たちのことも、長内さんのことも考えていない。ただ篤郎のことだけを考えている。」

放蕩三昧の挙句、苦しめた妻の最期にこう思ってもらえる男は、よほど魅力があったのだろう。
私レベルでは、その程度の感慨しか得られない。

 そのモデルとなった井上光晴の作品も読んでみようと考えた。
が、一番興味の湧いた「地の群れ」は絶版(古本も高い)で、図書館にも蔵書は無い。

仕方ないので、「小説の書き方」に予約を入れた・・・






あちらにいる鬼
井上 荒野
朝日新聞出版