
昨日図書館で借りてきた「正午派」という本は、自身が吐露するこれまでの作品の紹介とか、未発表の仕事、はたまた彼の足跡が載せられた、いわば正午カタログのような趣になっている。
その目次をパラパラとめくっていて、職業上もしくは趣味の範疇として惹かれた章があったので、そちらから先に読んでみた。それは、あるホテルの広報誌に連載された、カクテルにまつわる小話を集めたもの。
一言で言えば、「さすが」。
クドクドとカクテルの説明なんぞは野暮だと言うが如く、そんなものは一切無視した上で、その佇まいにシンクロする男と女のハナシが淡々と続く。
実際の広報誌には、その文章の脇に、当該カクテルの画像が添えられるらしい。
なるほど。その図が容易に脳裏に浮かぶ。
これなら、馴染みのないそれでも、一度眺めてみたい、そして、口に含んでみたいと思わせるだろう。
ならば、そいつを提供してくれるホテル・バーに足を運んでみようか、という流れになるかも知れないし、ならないかも知れない。
少なくとも記憶には残りそうだ。
流れるような文体と、その底流に揺蕩うセンス。
やっぱ、プロの仕事は違う・・・



