今朝のニュースで、これが直木賞に選ばれたことを知り、まだ読後感想文を書いてなかったことを思い出した。
などと、体よく書いたが、実はもうかなりの本を読み飛ばしたままにしている。
てか、最近はちゃんとした文章を書いてない。
「つぶやき」の悪癖か?
さて、ではざっと「思ったこと」を残しておく。
この書き出しで想像がつくだろうが、私には疑問の残る内容だった。
以下はナイルの説明文。
商品の説明
メディア掲載レビューほか
月の満ち欠け
東京駅のカフェで初老の男が店員に注文を伝えると、先に着席していた小学生の女の子が「どら焼きのセットにすればいいのに」と言い、かつて3人で食べたよねと畳みかける。
再読すると、少女が初対面の男を知悉していることを強調する冒頭シーンの繊細さに驚かされる。その後の約300頁は、男と読者が抱く「違和感」を解きほぐすことにあてられる。手塚治虫『火の鳥』や折口信夫『死者の書』を思い起こさせる展開だ。
著者は人生の岐路を主題としてきた作家だ。「記憶」をカギとする本作もその系譜にある。「まさか」と思える出来事に現実味を与えるのは、細やかな生活描写だ。感動の場面は無数にあるが、満月の夜に一人でどら焼きを食べたくなる「究極の愛」の物語だと評するにとどめたい。とにかくラストがすごい。
評者:朝山実
(週刊朝日 掲載)
内容紹介
新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし
あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。
著者について
佐藤正午(さとう しょうご) 1955年8月25日,長崎県佐世保市生まれ.北海道大学文学部中退.1983年『永遠の1/2』で第7 回すばる文学賞を受賞.2015年『鳩の撃退法』(小学館,2014年)で第6回山田風太郎賞を受賞.そのほかの著作に『ジャンプ』『身の上話』(光文社),『5』(角川書店),『アンダーリポート』(集英社),『小説家の四季』(岩波書店),『小説の読み書き』(岩波新書)など.
以上引用終了
物語の冒頭シーンが時系列の最初ではなく、そこから行きつ戻りつする構成。
なんとなくそんな予感があったので、戸惑わなかったが、三人称の主役がコロコロと入れ替わる手法は、私には意識が分散される気がした。
まあ、結局はそれら全てに登場する「瑠璃」が主人公なんだけど。
「人には死ねば闇に溶け込むタイプと、月の満ち欠けのように生まれ変わるタイプがある」
このミステリアスな大前提の元に物語は展開する。
結局、物語中、瑠璃は三度死に、三度生まれ変わったか?
その相関関係が解りづらい。
記憶力の衰えた老脳では咀嚼仕切れず、都度歯痒い思いがする。
これ以上は、ネタバレというか、ただ粗筋をなぞるだけのことに終始してしまいそうなので割愛する。
で、肝心の感想である。
人は、そこまで一人の人間に執心するか?
その設定に無理はないか?
そうでない人間の心の機微を読む方が頷けないか?
また、三度生まれ変わったシーンで物語は構成されているが、瑠璃はそれ以前はどうだったのか?
もっと前から生まれ変わりを繰り返してきたのではなかったか?
そうでなければ、大前提が崩れる。
とすれば、それ以前に出会った男に、執心するような相手はいなかったのか?
何千年も生きてきて、執心する相手は一人きりだったのか?
だとすれば、それは悲しい生まれ変わり人生じゃないか?
逆に、そんな相手が複数存在したとすれば、「究極の愛」のような設定は崩れるんじゃ?
ハイ、「そんなことが一義ではないのだよ」という御仁も多かろう。
しかし、私には、そこんところがどうも引っ掛かる。
どうせ、作り事なんだから、辻褄合わせは必要ない?
そうなんかなあ。
ただ、その文体はしなやかで瑞々しい。
その辺りが「職人」を思わせる。
そして、状況や心理描写を、これでもかと丁寧に展開してゆく作業はさぞや、と思う。
読んでるだけで疲れる感じがするくらいだから、書き手の労力はさぞや、と思う。
多分、書くことがとても好きな人なんだろうな・・・
追記
二度か三度読み返してみれば、その凄さが理解出来る作品かも知れない。
![]() | 月の満ち欠け 第157回直木賞受賞 |
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