宝島のチュー太郎

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クリスマス・イブ・イブ





浜田省吾/ ひとりぼっちのクリスマス・イブ:MIDNIGHTFLIGHT










 昭和53年12月23日。

その年の夏に出会って、転がる石のような毎日を一緒に過ごしてきたケイが東京を去る日。


見送られるのが嫌だというケイの希望に従って、新宿駅の雑踏で別れた。
手には、お互いへの一足早いクリスマスプレゼントとして買った、お揃いの金のネックチェーン。


「先延ばしにしてきた親との約束なので、一旦は東京を引き上げるけど・・・」
短大を卒業して、ホントはその春には帰る約束が、家業にまつわる専門学校に入学したことで
1年余り延びた。

そして、ボクと出逢い、それは更に延び延びになっていた。





 ケイの残り香があちこちに残るこの街にとどまるボクと、ボクの存在の欠片も無い町に帰るケイ。
一体、そのどっちが辛いのだろう?











 昭和54年12月23日。

その1年間に3度の家出をしてきたケイを見舞った盛岡の病院。

1度目はボクに実家まで送られ、2度目は両親に連れ戻され、そして最後は自分で帰っていった。
離れてる間は手紙と、ケイが時々家を抜け出してかけてくる公衆電話とのやりとり。

「既成事実をつくっちゃおう」とまで言うケイに対して、ボクはあまりにも優柔不断だった。



やがて自分の抱える、その頃は不治と言われた病の重圧に押しつぶされそうになるケイ。
そんなケイを包み込んでやる器量がボクには無かった。







今度こそホントの別れを終え、上野行き寝台列車の発車時刻を待つ間に入った駅の近くの喫茶店では、
楽しそうに翌日のパーティーの打ち合わせをするグループがいた。








 同じ日に、同じ人と、痛みの違う二度のさよならは、やはり記憶に残る。


それが今日、12月23日・・・