宝島のチュー太郎

20年続けたgooブログから引っ越してきました

つくりバナシ

JUJU - この夜を止めてよ

JUJU - この夜を止めてよ 【つくりバナシ】 別れが辛い? 寂しい? 孤独だ? なに自分に酔ってんだ あいつの気持ちはどうだ? そこまで思いを巡らせてるか? 何時まで経っても自己中心か? 思いのベクトルを変えてみろよ 有難いと思わないか? これまで幸せ…

Syun's Barのパラレルワールド

Syun's Barの8人掛けテーブルに揃った面々、ナオキマン、さとうみつろう、矢作直樹、馬淵睦夫、及川幸久、トランプ、ハリス、そして楠俊輔。 とある平日の深夜、示し合わせた訳でもないのに、どやどやとやって来た一見さんたち。 ただ、俊輔にとっては、み…

金のネックチェーン

俊輔は過日こんな風に思ったが、やはり温存、と、元の位置に戻していた金のネックチェーン。 しかし、 『温存してどうなる?オレが死んだらただのクズだ』 と、考えた。 なら、身に着けていよう。 もしも何かで紛失しても、それはそれで、そういう運命だった…

さくら

それは、松山の一番町と勝山通りの交差するエリアの近くにある、よくある飲食店の雑居するビルの4階にあった。 店名はサクラ、10席ほどのカウンターしかない、さくらという名のママが一人で経営するごく小さなスナックで、それでもいつもお客さんの絶えない…

今日いち-2024年9月13日

そろそろ書き始めるんやろか、オレ・・・

タクティクスとアラミス

ケイは女の子なのに、どちらかと言えば男装が多かった。 ジーンズは勿論のこと、タイトなパンツ、そしてボタウンダウンシャツにアスコットタイを合わせてみたり。 いわゆるアイビールックを好んで着た。 それがまたよく似合った。 コロンにしても、タクティ…

Mr. サマータイム - サーカス

Mr. サマータイム - サーカス >終電も終わり、通行人もまばらになった通りをずっと眺めていた。 諦めたり、励ましたり、心の中で葛藤しながら。 相も変わらず、ボーっと眺め続けていた。 そこへ、ケイがふいに現れた!! 正しく、僕の網膜にフレームインし…

Nのこと

1972年、俊輔は高校生になった。 そこでようやく、ホントにやりたかった部に入った。 それが柔道部。 姿三四郎から柔道一直線を経て、柔道というものに憧れがあった。 そうそう、鉄下駄なんぞも履いていたっけ。 そこで出会ったのがNだった。 どこか不良っぽ…

孤独に火をつける

俊輔は、雲一つない五月晴れの空の下、けふも垣生の海岸線を歩いた。 昨日は海の水があんなに澄んでいたのに、一転、けふは何故か濁っている。 『雨も降ってないのに、どうしたことだろう』 などと思いながら歩き続ける。 遠く、しまなみ海道に架かる橋が見…

次のステージへのドア

目の前に不意に現れた分かれ道とそれぞれにあるドアの前で、俊輔は一年間逡巡し、熟慮し、思い直し、そしてまた翻意を繰り返してきた。 決断しなければ、その先へは一歩も進めない。 但し、一度そのドアの向こうへ踏み込んだら、もう引き返すことは出来ない…

金のネックチェーン

2024.5.18.sat. その朝、前夜の夜更かしが祟ったやや重い体に鞭打ちつつ、俊輔は営業後そのままにしてあったグラスを洗っていた。 そして、以前から曇りが気になっていたカクテルピンを入れたグラスを洗い直そうと思い立つ。 小さな本体と、埃除けの目的でそ…

行かないで

「さよなら」だけが人生だ 直訳すれば、最終的に人はみな、さよならする すなわち、人はみな孤独 そんなこと、ボクだってわかってる いくら大切な人とでも、遅かれ早かれ、どちらかが先に逝かねばならない そして、残った独りもやがて消えてゆく 散る桜 残る…

丸の内線で新宿から東高円寺へ

例えばこんな【5】 嘘ではなく、ホントに新宿中央公園にはまだ行ったことがなかった。 だって、そこへ行く理由がないのだから、その必要はないだろう。 でも、一度くらいは行ってみてもいいと思っていた。 そこで、たった今、行く理由が出来たという訳だ。 …

仙台駅経由盛岡駅行き

1979年12月の或る日、ちゃんと別れたつもりのケイから久しぶりの手紙が届いた。 もうそんなことは期待してなかった俊輔は、暫くその封書を眺めた後、やおら挟みで開封する。 今頃ごめんなさい。 でも、シュンにしかこの正直な気持ちは打ち明けられない。 だ…

雨上がりの幡ヶ谷、甲州街道、歩道橋

1976年6月、雨上がりの甲州街道。 大学2年になった俊輔は、稲毛屋のバイトを終えて帰宅するところだった。 手には、雨が上がって必要のなくなった雨傘、そして足元は長靴。 世間では、田舎でもさほど長靴を履かなくなったのに、俊輔は、雨の日はいつも堂々と…

最近のボクは

【つくりバナシ】との逃げを打って、過去の記憶をモチーフに、作文を愉しんでいる。 何故なら、それが心地良いからだ。 そう、趣味としている。 でも、そいつをずっと続けてきて漸く、ちゃんと自己の脳内に浮かぶ物語が書けそうな気分になってきた。 もうち…

春、綺羅キラ

1973年4月 高校2年のクラス替え最初の日 自己紹介の中で一番輝いて見えたのがキミだった その瞬間からボクにはキミばかりを見つめる習慣がついた ヨースルに恋したんだ、キミに それから一年経った春 また同じクラスになった じっくりと熟成された恋心はもう…

花巻にて

「久しぶり」 「驚いた、どうしたの?突然」 「うん、今隣の町にいる、明日、最後に少しだけ逢えないかなと思って」 「・・・」 「迷惑だったかな?」 「ハッキリ言うね、ようやく穏やかな生活にもどれそうなんだ私、今」 「そうか、手術は成功したんだね」 …

忘れえぬ唇

お互いにしとどに酔った挙句の狂おしく激しいkiss まだ子供だったボクは妖艶なあなたに溺れた でも、部下の横恋慕による忠告であなたは醒めた それ以上踏み込んではいけない そう決めたのだろう ボクは諦めるしかなかった それは麻疹のようなものだった だか…

正直と嘘

全てを包括した上での正直さは絶対の是か? もしかするとそれは己への自画自賛ではないか? 一言で片づければ独りよがり、自己満足の自慰行動 正直の真正面には相手がいる それが世間ならばそれで良し ただそれが個人だとしたら? そしてその正直さが相手の…

さよなら/オフコース

海を見ていた。 1980年2月、とある日曜日の午後、季節はずれで人影の少ない由比ヶ浜。 とは言え、風のない小春日和は、ぎこちないカップルには如何にもデート向きらしい気候の昼下がりだった。 海を見下ろす海岸添いの公園のベンチに腰掛けた僕の隣には、ま…

「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」大塚博堂(有村架純)

今月からケータイのプランを掛け放題にした でも話す相手がいない そこでいつものモーソーが始まった あの頃のキミと話せないだろうか となれば、ボクだってあの頃に戻らなきゃ 45年前の二人に戻れるだろうか そりゃ無理だ じゃあ、現実の二人ならどうだ あ…

言えないんだよ

どうしてこうなってしまったのだろう もちろん原因はボクさ それはわかってる でも、それまでのキミなら許してくれた 少なくともボクはそう高を括ってた なのに今度だけはそうならなかった じゃあ今度だけはボクが許してくれって言うべきだったのだろうか で…

あとは風に吹かれて

過ぎてしまえばみんないい思い出 苦しんだり苦しませたり でもちゃんと別れられたつもり そうでないこともあったかもしれないが もしそうならオレを選んだキミの不幸 と割り切ってほしい オレは幸せだったよ 勝手かも知れないけど あとは出口に向かって独り…

あの頃

あの頃、意地を張らずに待ってくれと言えばよかったのだろうか 悪いところは直すからと謝ればよかったのだろうか いつだってボクが主でキミが従だと思ってきた? 或る日それを越えたのだろうか それに気づくのが遅かったのだろうか 二歩進んで三歩後退する自…

どう思う?

あの頃のキミはあの頃のボクをどう思ってた?傲慢だったかい?独りよがりがったかい?自分勝手だったかい?それとも、いいところもあったかい?愛されたという記憶は残ってるかい?いまのキミはいまのボクをどう思う?変わったかい?年老いたかい?優柔不断…

シュンのメモ

そして、昨晩、シュンはこう書き殴った。 僕は本を読みながら、半分、或る人のことを考えている。 やがて、本の内容が消えて、全てがそちらに移る。 随分前のその人との記憶。 しかし、このテーブルはそれ以前から存在したし、今流れている唄はそれよりずっ…

記憶はサブスク・オンデマンド

シュンは、現在67歳。 その誕生日から既に4か月余りが過ぎ去った。 あと3年弱で70歳。 これまで【なんとなく】その年齢は認識してきた。 でも最近、コペ転的な出来事があって以来、それが心に沁みてきた。 思えば、これまで甘やかで緩い日々を送ってきた。 …

ベンチマーク

ふたりの目の前に突然出現した頑丈そうな扉 逡巡したのちにふたりはそこから出ていった ひとりは随分前に 残ったひとりも今日 そして扉は静かに閉まった 果たしてふたりはそこに戻ることがあるのだろうか また、その扉は再び開くのだろうか 少なくとも、後に…

例えばこんな 全体像 その5

【22】 ケイの実家では、一応の平安が訪れたようで、その後ケイには遠出が許された。 そして、月に一度は仕入れの為に上京できるようになって、数か月。 7月に出てきたケイは、また岩手に帰らなかった。 あれからちょうど1年。 魔の7月、熱い7月、狂おし…